top of page

ピュアホワイトについて

 

コザクラインコにピュアホワイトと呼ばれる色種があります。全身が真っ白なコザクラインコです。最近人気が出て来ましたが、一方で十分な理解が得られていないようです。最近質問も増えてきたので、私の知る限りのピュアホワイトについて書き留めます。誤りがございましたらご指摘いただければ幸いです。

 

ともすればピュアホワイト因子なるものがあると思いがちです。然しながら単体のピュアホワイト因子なるものは存在せず、複数の因子が重なった時に発生する色です。

 

それは、ターコイズ因子、ダーク因子、バイオレット因子、イノ因子です。

 

書籍「THE ENCYCLOPEDIA OF AGAPORNIS」には、ピュアホワイトとは

double violet DD turquoise ino(white faced double dark double violet ino )とあります。

 

分かりやすく書きますと、ターコイズでダーク因子が2つ乗り(モーブを意味します)、バイオレットはダブルファクターで、イノであるという事なんです。

 

ですから日本語表記すると、

「ホワイトフェイスモーブバイオレットダブルファクターイノ」

という事です。

 

下の子はピュアホワイトです。一点の濁りも無く、大変綺麗な色です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腰の色も白く、羽根はクリアで透明感があります。この色だけをピュアホワイトと呼ぶのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、国内ではコバルトバイオレットとピュアホワイトのペアが、ホワイト作出の最短コースの様に位置付けられています。果たしてそうなのでしょうか。

 

ここで、

オス親をホワイトフェイスコバルトバイオレットダブルファクター

メス親をピュアホワイト

として、生まれる子の色発生確率を見てみましょう。

 

生まれてくる子の色は、オスメス同確立です。

25.0% DD turquoise(parblue) violet(df) /ino

25.0% D turquoise(parblue) violet(df) /ino

25.0% DD turquoise(parblue) violet(df) ino

(これだけがピュアホワイトです。)

25.0% D turquoise(parblue) violet(df) ino

 

さて、ここで問題があります。メス親が本当にピュアホワイトであればこの確率で生まれます。でも、腰に色が入っていたり、羽根が黄色っぽかったりしたら、それはピュアホワイトではありません。ダーク因子が1つだったり、バイオレット因子が1つだったりする可能性があるわけです。そうなると、益々ピュアホワイトの発生確率は下がります。

 

オスのバイオレットのシングルファクターとダブルファクターの色の違いなど、どれだけの人が分かるのでしょうか。そんな中でピュアホワイトは繁殖されています。もし、オス親のバイオレット因子がシングルファクターで、メスがピュアホワイトでは無くて、バイオレット因子がシングルファクターだと仮定して計算してみましょう。

 

6.25% DD turquoise(parblue) /ino

6.25% DD turquoise(parblue) violet(df) /ino

12.5% DD turquoise(parblue) violet(sf) /ino

6.25% D turquoise(parblue) /ino

6.25% D turquoise(parblue) violet(df) /ino

12.5% D turquoise(parblue) violet(sf) /ino

6.25% DD turquoise(parblue) ino

6.25% DD turquoise(parblue) violet(df) ino

(これだけがピュアホワイトです。)

12.5% DD turquoise(parblue) violet(sf) ino

6.25% D turquoise(parblue) ino

6.25% D turquoise(parblue) violet(df) ino

12.5% D turquoise(parblue) violet(sf) ino

 

なんと、25%から、6.25%に下がるのです。

これを見ればどれだけピュアホワイトが出にくいかお分かりいただけることでしょう。

 

価格が急激に下がっておりますが、それはピュアホワイトの価格が下がっているのではなく、ほとんど白いが、決してピュアホワイトではない白いコザクラがインコが多く作出されて安く販売されているのです。

ピュアホワイトは我家でも2015年9月現在、1羽しか生まれたことがありません。白いのは20羽近く生まれていますが、全身真っ白なピュアホワイトは1羽です。

 

ピュアホワイトはかなり稀少な鳥なのです。作出者はそんな意味からも、ピュアと付けたのでしょう。

 

多分、現在出回っている多くの白いコザクラはピュアホワイトではありません。

ですから、ピュアという言葉を外して、ホワイトとしたら良いのではないでしょうかね。勿論、ピュアと付ける以上は、厳密に考える必要があると私は思います。

 

ピュアホワイトは風切羽に濁りが無くクリアーです。雨覆羽も濁りが無く、透明感のある白です。ホワイトを陶磁器の白さだとすると、ピュアホワイトは乳白ガラスの様に感じます。

 

ピュアホワイトを飼育したい場合は、遺伝をよく理解しているショップかブリーダーより購入する事をお勧めいたします。あるいは、海外からの輸入がより信頼出来るのではないでしょうか。価値的には1羽10万は超えると思いますが、「ピュア」を望む方には近道だと思います。そして、100%ピュアホワイトが生まれて欲しいならば、ピュアホワイト同志のペアが一番です。

 

下の写真をご覧ください。右の子はピュアホワイトです。左は非ピュアホワイトです。

よく見比べる点は2点。

1つは腰の色です。左は薄い紫色をしています。

もう1つは羽根の透明感です。右は純白ですが、左は少し透明感が不足しており、濁っています。購入する場合はこの点を良く見てください。

bottom of page